計算法概説


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1: ◆ 定気法二十四節気に従った十二支月、節入り日時刻採用 ◆

恒気法二十四節気は冬至から次の冬至までを時間で等分するものです。
日本では寛政暦まで恒気法が用いられてきました。
これに対し、 江戸時代末期の天保暦から採用された定気法二十四節気は、
時間等分ではなく太陽黄経を等分するもの。以来、現代に至ります。
周知の如く、理科年表の暦部「二十四節気,雑節」には
土用も含め、 各節の太陽黄経が定められています。
すなわち、 恒気法における時間等分にかわって、定気法では太陽黄経が等分され、 これにより十二支月の境界日時刻(=二十四節気の各節)が特定されます。

本家中国においても清代に時憲暦が発布されて定気法に切り替えられました。
中国における四柱推命(この呼称は日本だけのもので、命理とか三命あるいは 八字と呼ばれる)の担い手たちは長年、恒気法二十四節気のもとで 学理を探求してきたため、暦法改変が学理に及ぼす影響に対して 自覚的であったと推測されますが、日本の四柱推命は定気法導入以後に 恒気法下で深く探求された典籍が紹介され、普及に至ったため、 定気法の暦で四柱八字を組織し、恒気法下の理論書で解釈する、 という齟齬をきたすことになりました。
が、現代においては 日本の四柱推命の先達による多くの文献資料、努力成果を踏まえ、 暦法改変による影響に対して無自覚なままに普及の段階に 突入してしまった過去への反省のもとに、この問題に対し、 充分に自覚的な対応、しかるべき修正への取り組みや議論が 各所で行われていることは想像に難くありません。
何故なら(後述するように) 上記の如き齟齬は十二支月境界のみならず、月令干(月支蔵干分野)や 扶抑用神法における用神取得に影響を及ぼし、大運計算式も変わるからです。

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2: ◆ 定気法を徹底させた「太陽黄経等分法」による蔵干論を採用 ◆

ここでは月令干の取得に焦点を当てて簡潔に記します。
作者はプログラムのアルゴリズム構築にあたり、 「土」を含めた各季節に旺じる五行配当の基本法則に シンプルかつ忠実に従っています。
すなわち、 春夏秋冬(四時)に旺じる五行は木火金水。土用(四季)は土。 恒気法の時代から、この五気は年間に等分配当されてきました。
春(木)夏(火)秋(金)冬(水)それぞれ約72日間。
土用(土旺期間)は四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前、 各々約18日余として配当され、この4つの合計もまた約72日間。
この文脈に沿って定気法で記述し直すと次ぎのようになります。

春を 例 にとれば、
太陽黄経315°の寅月立春から始まり、太陽黄経27°の辰月土用入りまで。 立夏(太陽黄経45°)を以って夏に入る。 春の間は五行の木(甲乙)が旺じる木旺期間(木月と呼ばれる)。
陰陽においては胎動の陽(甲)から老熟の陰(乙)へ。 その甲乙境界は、これまたシンプルに太陽黄経上の中点とすれば、 自ずと太陽黄経351°が導かれます。
他の季節も同様で、 これら各点をグレゴリオ暦上の日時刻で表記すれば良いだけです。 故に月令干取得においては従来からの蔵干表を参照しません。

本プログラムもまた、太陽黄経を基準とした定気法から自ずと導き出される 月支蔵干分野の特定方法に沿って組まれたアルゴリズム を用いて計算を行っています。
(勿論、大運においても時間按分を排し太陽黄経から按分計算しています。)

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四柱計算フリーソフト「定気法暦 四柱計算 stewc (フリーウェア)」