狐と狸がここだけ占い話
御中元、いざ出陣!
それは梅雨もようやく明け、夏の陽射しがしだいにまぶしく照りつけるようになってきた頃・・・。
狐(きつね)「お〜うまそうな鮎じゃないか!豪勢だな!」
狸(たぬき)「あ、きつねか。その鮎にゃ気をつけろよ!オチューゲンだって河童が置いていたんだからな!」
狐(きつね)「へえ。ありがたく食おうよ。川原で焚き火しよ。」
狸(たぬき)「うかつに食べないほうがいいぞ! 食ったら戦になるんだろ?」
狐(きつね)「なんで?お中元の鮎だろ?」
狸(たぬき)「オチューゲンって、宣戦布告の印だろ?」
狐(きつね)「?」
狸(たぬき)「世の中は今、大変らしいな。オチューゲン商戦が激化してるんだって?いつ戦いが飛び火してくるかわからんだろう?」
狐(きつね)「なるほど。それでおまえ、鎧着てるんだな。この暑いのに・・・。」
狸(たぬき)「だって戦に備えなきゃ!」
狐(きつね)「安心しろ。戦いにはならん。だから、鎧を脱げ。」
狸(たぬき)「ぷは〜っ! オチューゲンって宣戦布告の印じゃないのかあ。じゃあ、なんなんだ?」
狐(きつね)「友好の印。ま、ひとつよろしく!っていうか」
狸(たぬき)「え?プレゼントだったのか?」
狐(きつね)「だいたい、宣戦布告に物を贈ってくる奴っていないと思うぞ。」
狸(たぬき)「そうかな?トロイの木馬は?」
狐(きつね)「・・・」
狸(たぬき)「囮だったらどうするんだよ?贈り物で油断させて、という攻略方法かも知れないだろ。」
狐(きつね)「贈り物作戦か。まあ、歴史の中でそういう話はあるよな、たしかに。」
狸(たぬき)「タダより高いものはないっていうぞ。」
狐(きつね)「貰っちゃったら断れない話っていうのも・・・あるよな。」
狸(たぬき)「って、この前、河童に胡瓜あげたんだよ。」
狐(きつね)「ああ、胡瓜っていえば河童の好物じゃないか。」
狸(たぬき)「らしいな。嬉しそうだったな。」
狐(きつね)「じゃあ、胡瓜のお礼じゃないか?」
狸(たぬき)「あ、そうか。胡瓜のお返しか。じゃあ、ありがたく貰っておこうっと。」
注釈・中元は道教の行事日。旧暦7月15日に、庭で火を焚き、近隣に贈物をする習慣から。しかし、最近の日本では新暦の7月15日が御中元になりつつある。
「狐と狸がここだけ占い話」は不定期更新です。鎮守の森の裏手を、たまに覗いてみてください。
狐(きつね)「お〜うまそうな鮎じゃないか!豪勢だな!」
狸(たぬき)「あ、きつねか。その鮎にゃ気をつけろよ!オチューゲンだって河童が置いていたんだからな!」
狐(きつね)「へえ。ありがたく食おうよ。川原で焚き火しよ。」
狸(たぬき)「うかつに食べないほうがいいぞ! 食ったら戦になるんだろ?」
狐(きつね)「なんで?お中元の鮎だろ?」
狸(たぬき)「オチューゲンって、宣戦布告の印だろ?」
狐(きつね)「?」
狸(たぬき)「世の中は今、大変らしいな。オチューゲン商戦が激化してるんだって?いつ戦いが飛び火してくるかわからんだろう?」
狐(きつね)「なるほど。それでおまえ、鎧着てるんだな。この暑いのに・・・。」
狸(たぬき)「だって戦に備えなきゃ!」
狐(きつね)「安心しろ。戦いにはならん。だから、鎧を脱げ。」
狸(たぬき)「ぷは〜っ! オチューゲンって宣戦布告の印じゃないのかあ。じゃあ、なんなんだ?」
狐(きつね)「友好の印。ま、ひとつよろしく!っていうか」
狸(たぬき)「え?プレゼントだったのか?」
狐(きつね)「だいたい、宣戦布告に物を贈ってくる奴っていないと思うぞ。」
狸(たぬき)「そうかな?トロイの木馬は?」
狐(きつね)「・・・」
狸(たぬき)「囮だったらどうするんだよ?贈り物で油断させて、という攻略方法かも知れないだろ。」
狐(きつね)「贈り物作戦か。まあ、歴史の中でそういう話はあるよな、たしかに。」
狸(たぬき)「タダより高いものはないっていうぞ。」
狐(きつね)「貰っちゃったら断れない話っていうのも・・・あるよな。」
狸(たぬき)「って、この前、河童に胡瓜あげたんだよ。」
狐(きつね)「ああ、胡瓜っていえば河童の好物じゃないか。」
狸(たぬき)「らしいな。嬉しそうだったな。」
狐(きつね)「じゃあ、胡瓜のお礼じゃないか?」
狸(たぬき)「あ、そうか。胡瓜のお返しか。じゃあ、ありがたく貰っておこうっと。」
注釈・中元は道教の行事日。旧暦7月15日に、庭で火を焚き、近隣に贈物をする習慣から。しかし、最近の日本では新暦の7月15日が御中元になりつつある。
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