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占星解説 2024

2024年のマンデーンを読む

2024年のマンデーンを読む

 マンデーンを読むにあたって必要なのは、まず、大惑星のトランジットです。
 木星は2024/05/26 08:16に牡牛から双子へ。
 木星天王星とのコンジャンクション(合)が2024/04/21 11:28
 土星は魚を運行(2023/03/07 22:36から2025/05/25 12:37まで)、
 海王星も魚を運行(2012/02/04から2025/03/31まで)、土星が海王星に接近していきますが、魚では土星海王星のコンジャンクションは発生しません。
 2024年の冥王星は山羊から水瓶への移行期にあたり、2024/01/21までは山羊、2024/01/21に水瓶へ入り、5/03に逆行して2024/09/02 09:11にまた山羊へ、10月に順行となって2024/11/20 05:30に水瓶へ進むという複雑な動きをします。

 次に、春分図を作成します。
 2024年春分図 Ari00 2024/03/20 12:08(JST)
  Spring Equinox (国立天文台データ12:06)

 春分図は、太陽牡羊00のソーラーリターンチャートと考えるとわかりやすいでしょう。星の配置は世界共通でも、地域によって(国によって)、その上昇は異なります。ロンドン(グリニッジ)と、東京では上昇度数が異なり、従って上昇支配星も違う。だから、同じ春分図であっても、首都の経度によって、その解釈は当然異なる、とします。
 とはいうものの。首都が近い2つの国においては、上昇が同じになることももちろんあります。たとえば日本と韓国。
 東京は日本標準時よりも+19分(東京は明石よりも東)、韓国の標準時は東経135度で日本標準時と同じですが、ソウルは−32分(ソウルは東経135度よりも西)になります。つまり、19+32=51分、同時刻に東京で作成したホロスコープと、ソウルで作成したホロスコープを比べると、ソウルのほうが時差+51分、これを4分で割って約13度、東京における春分図のアセンダントと、ソウルにおける春分図のアセンダントは、約13度しかずれていません。
 年によっては、日本(東京)における春分図の上昇宮と、韓国(ソウル)における春分図の上昇宮が同じになり、上昇支配星が同じということもあります。となると、日本(東京)と、韓国(ソウル)において起こる出来事は同じでしょうか? そうはなりません、というか、そうしないために必要なのが、国家開始図です。

 国家開始図とは、国家の誕生図、もしくは、新たな体制がスタートした瞬間の天宮図のこと。
 韓国(大韓民国)の場合、その国家開始図は1945年8月15日です。(日本の終戦によって占領が終了したとみなすため。)
 日本の場合、国家開始図についてはさまざまな意見がありますが、今回、この記事ではサンフランシスコ講和条約の発効日(1952年4月28日 日本時間22:30 東京)を使用します。日本政府が、この日を日本主権回復の日としているためです。

・太陽牡牛07 月双子28 水星牡羊11 金星牡羊21 火星蝎11 木星牡羊29 土星天秤09 天王星蟹10 海王星天秤19

 つまり、戦後の日本における経済の活性化は、牡羊29の木星が鍵を握っているということになり、この牡牛29の木星に対するトランジットを重視します。
 春分図は、春分の日から1年間の運勢の流れをみるためのものですが、しかし、春分を境にしていきなり状況が変化するわけもなく、2024年は、2020年からはじまったグレートコンジャンクションの20年周期の大きな流れの中の4年め、と考えるべきです。
 牡羊29木星は、グレートコンジャンクション水瓶00に対してスクエア。となると、今後20年間、日本国内においての経済活性化がうまくいきにくい状況であると考えられるのではないでしょうか。しかし、グレートコンジャンクション水瓶00に対して、土星天秤09はトラインですので、大きな変化を避けながら、消極的に安定に向かう縮小傾向と考えてよいのではないかと思われます。

 2024年春分図(Tokyo)において重要なのは1Hの月、獅子03(しかも上昇支配星)に対し、太陽牡牛07(1952/04/28)がスクエアであるということ。月が国民、太陽が政府。今の日本の状況に当てはめるなら、この月は、生活を守りたい、という国民の意向です。燃料にしろ食糧にしろ、海外輸入に頼っている日本において、政府の方針(牡牛07の太陽)と、国民の意向がうまく調和していない。国民には潜在的に不満が溜っていきそうです。
 木星天王星はかなり接近しており、2024/04/21 11:28にコンジャンクション。
 木星天王星は、経済を活性化するような新たな事象、もしくは社会を理想的に改革しようとするような試みと考えてよく、今回の木星天王星コンジャンクション牡牛21は、火星蝎11(1952/04/28)とはオポジションとなるので、IT関連、ゲーム、エンターティメントにおいて次々と新たな試みがなされるのかもしれません。
 公共サービスのデジタル化は必須でしょう。マイナンバーについては(いろいろあって)賛否両論なようですが、しかしいまさら紙の時代に戻るわけにはいかない、ということだけはたしかですし、DX(デジタルトランスフォーメーション)が効率化に繋がるというのは、これはもう、事実です。(サイトじゃなくて電話で問い合わせしたい、というアナログな人たちに対しては、AI化された音声サービスがお相手すればいいだけですから。)
 
 さて、アストロロジャーの場合、出生時刻の確認は、非常に大事な作業です。出生時刻を確認するには、法務局で出生届を閲覧する。日本のアストロロジャーなら周知の事実。
 そして、法務局に保管されている出生届は紙です。出生届の保管義務は30年。30年を過ぎても保管している法務局もありましたが、30年たったので処分しました、という場合もあります。これまでに、「50年前の出生届をどうやって確認すればいいでしょうか」とか、「祖父母の出生届を確認したいのですが」というようなご質問をいただくことがありましたが、「保管されているかどうか、問い合わせてみてください」としかお答えできないのが実情です。しかし、記録保管が紙からデジタルになれば、古い記録の照合も可能になるのかもしれません。デジタル化は、実は、記録を残し続ける最良の手段かもしれないのです。

 が、記録がずっと残って保管されるからといって、権利がいつまでも消滅しないというわけではありません。
 2024年4月から、相続登記が義務化されます。言い換えると、故人の所有のままの不動産がなくなるということです。
 まさにこのあたりは、月オポジション冥王星なのでしょう。
 
 相続法が40年ぶりに見直し改正されたのですが、今回の相続法の改正では、自筆証書による遺言書の保管制度など新たな制度が設けられ、一般の人々が、遺言書を簡単に作成することができるようになったという点が大きいかと思われます。
 かつて相続法が大きく変化したのは昭和22年(1947年)の改正においてで、これは戸籍の改正に伴って発生したものですが、そののち、昭和55年(1980年)、実際には昭和56年(1981年)に、代襲者を限定するという改正が行われました。縁の遠い者にまで相続人が広がってしまうことを回避するために、兄弟姉妹についての代襲者は兄弟姉妹の子(つまり、被相続人の甥姪にあたる者)までに限定されたという経緯があります。これにより、日本では、遠縁の顔も見たことのない億万長者の大叔母からの遺産を突然相続するといったような話は現実には発生しなくなったわけです。
 1980年っていったら、天秤で木星土星のグレートコンジャンクションがあった頃。(グレートコンジャンクションが地のエレメンツサインで発生していた時代の、例外的な風のサインでの発生)、家や一族という考え方が、薄らいできた時期にあたっているという見方もできそうです。

 月と冥王星のオポジションが、1Hと7Hで発生しているという配置については、日本における終活ブームがまだまだ続くということになり、相続法の改正によって、遺言書ブームが訪れるのかもしれません。
 
 
 おわりに。これは毎年書いていることですが、占星術とは星の配置によって地上の運勢を読みとる術とされます。しかしそれは「星の配置に地上の運勢が左右される」ことではありません。地上の動きを知らなければ、天を仰いでも何もわかりません。私の師同然であったルル・ラブアさんは、「新聞を読みなさい、経済学を勉強しなさい、世の中を知りなさい、でなければマンデーンはできない」とアドバイスをくださいました。占星術を学んだだけで株で勝てたりはしません。株の専門家が占星術をやってこそ、知識を活かせるというものです。
 予兆を読みとるのがオカルティストと称される人々ですが、オカルティストは占い師であるとは限りません、科学者、政治家、そして芸術家かもしれません。ただし、オカルト理論にはおおいなる勘違いもたくさん含まれています。99の瓦礫とたった1つの原石。そのぐらいの比率かとは思いますが、マンデーンから役立つ何かをひとつでも読みとっていただければ幸いです。

秋月さやか

2024年 春分図

1952/04/28

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