占星解説
エクリプスって何ですか?
エクリプス(蝕)eclipseとは、光の遮断現象。つまり、日蝕、月蝕、そして星蝕を意味します。
星蝕は掩蔽(occultation)とも呼ばれます。そう、オカルトの語源。でも、星蝕だけでなく、日蝕も構造的には掩蔽なのです。つまり、月が星を遮る、日を遮る現象です。
日蝕、ソーラーエクリプス。本来であれば、太陽の光の中を遮ることが出来るのは大地だけ。といっても、大地が太陽を遮るというよりは、太陽が自ら大地の下に沈むから天空は闇となり、そして太陽が昇ってくれば地上は再び光に包まれるわけです。しかし、その絶対法則を揺るがすものが日蝕なのです。月に遮られた太陽は黒く、地上は暗くなります。
古代、日蝕は太陽の死と考えられました。昼間、みるみると光を失っていく太陽。太陽が死滅したら、この世界はどうなるのか。日蝕により世界が消滅すると考えた民族も多く、だから日蝕では太陽の蘇りを願って、さまざまな儀式が行わました。日蝕になると、古い支配者を廃して、新たな支配者をたてるようなことも行われました。それにより世界を蘇えらせようという、いわば魔術です。
それに対し、月蝕の構造は異なります。月蝕は、地球の影の中に月が呑みこまれる現象で、月蝕の月は見えなくなるのではなく、暗くなるだけです。月はもともと、再生を繰り返す光なので、月蝕は日蝕ほどショッキングな現象には見えません。が、銅色に沈んでいく満月は、やはり不思議な光景です。
さて、エクリプスを引き起こす正体はドラゴンポイントです。
太陽の軌道が天空に描く環、黄道。そして月の軌道が天空に描く環。白道。その2つの環は、傾きが異なるため、天空の2点で交わります。この交点がドラゴンポイントです。このポイントの近くで、新月か満月が起こると、それは蝕(エクリプス)となるのです。
もしも、この2つの軌道の傾きが一致しているのであれば、つまり、太陽と月が同じ軌道面上を移動していたなら、新月、満月のたびに蝕が起こります。しかし、この2つの軌道の傾きが異なっているために、蝕は交点付近でしか起こらないのです。
通常の新月では、太陽と月は接近しますが、重なることはありません。でも、太陽がその強い光で、月の姿を消し去ってしまうのです。ですが蝕の新月では、月が太陽の上に重なります。月は黒い影となって太陽を隠してしまいます。ある意味、通常とは逆のことが起こるわけです。
満月では、太陽が月を照らし、月は、満面輝きます。しかし、交点の近くで満月が起こる場合、太陽と月の間に地球が入り込むという位置関係になります。地球が太陽の光を遮り、そして地球の影が月を覆います。そして満月は輝きを失うのです。(影の中に入るだけなので、真っ暗にはなりません。)
古代において、天空で起こる蝕は、驚きでした。太陽の光がなぜ急に隠されてしまうのか、なぜ満月がその輝きを失ってしまうのか。太陽と月を飲み込む巨大なドラゴンが天空にいるのだろう、と人々は想像しました。そして太陽と月の軌道の交点、太陽と月が重なるポイントは、ドラゴンポイント(ドラゴンヘッド&テイル)と名付けられました。ドラゴンポイントは、ヘッドとその正反対にあるテイルの2点から成り立つ蝕点なのです。
太陽と月の軌道の交点、ドラゴンポイントがある星座宮は蝕星座宮。その星座宮で起こる新月、満月は、蝕となります。(注・ただし、ドラゴンヘッドテイルが、星座宮の端のほうにある場合、隣接した星座宮での新月、満月も蝕になることがあります。)
そしてドラゴンポイントは、太陽や月が移動する向きとは逆に、約18年かかって、全天を1周します。この18年(+11日)はサロス周期と呼ばれる蝕の周期。ドラゴンポイントがひとつの星座宮(30度)を移動するのに約1年半。18年間のうちに特定の星座宮を2回(1回はヘッド、もう1回はテイル)、蝕点が通過します。つまり、ある星座宮が蝕星座宮となる周期は、18年間の半分の期間、9年ごとにやってきます。
エクリプス(蝕)は、ありえないことが起こるわけで、いわば、運勢を変化するきっかけになると考えてよいでしょう。それまでの認識やルールが大きく変化するタイミングだからです。古代、光を蘇らせようと行われた魔術儀式のように、運勢を変えるには最適のタイミングでもあります。
ただしこれは、一般的にエクリプス(蝕)について語られていることではありません。エクリプス(蝕)は、占星術ではそれほど重要には扱わないのです。以前、ルルラブアさんに、エクリプスについて訊ねましたら「エクリプスはねぇ、どちらかというと魔術の領域でしょ。占星術では重視しないけど。」と言われました。あえて言うなら、これは、エソテリック(秘教占星術)、占星魔術とも言うべきものだと私は考えていますし、現在、私が書いているエクリプスについての占いは、自身のオリジナルとして公開しているものです。
星蝕は掩蔽(occultation)とも呼ばれます。そう、オカルトの語源。でも、星蝕だけでなく、日蝕も構造的には掩蔽なのです。つまり、月が星を遮る、日を遮る現象です。
日蝕、ソーラーエクリプス。本来であれば、太陽の光の中を遮ることが出来るのは大地だけ。といっても、大地が太陽を遮るというよりは、太陽が自ら大地の下に沈むから天空は闇となり、そして太陽が昇ってくれば地上は再び光に包まれるわけです。しかし、その絶対法則を揺るがすものが日蝕なのです。月に遮られた太陽は黒く、地上は暗くなります。
古代、日蝕は太陽の死と考えられました。昼間、みるみると光を失っていく太陽。太陽が死滅したら、この世界はどうなるのか。日蝕により世界が消滅すると考えた民族も多く、だから日蝕では太陽の蘇りを願って、さまざまな儀式が行わました。日蝕になると、古い支配者を廃して、新たな支配者をたてるようなことも行われました。それにより世界を蘇えらせようという、いわば魔術です。
それに対し、月蝕の構造は異なります。月蝕は、地球の影の中に月が呑みこまれる現象で、月蝕の月は見えなくなるのではなく、暗くなるだけです。月はもともと、再生を繰り返す光なので、月蝕は日蝕ほどショッキングな現象には見えません。が、銅色に沈んでいく満月は、やはり不思議な光景です。
さて、エクリプスを引き起こす正体はドラゴンポイントです。
太陽の軌道が天空に描く環、黄道。そして月の軌道が天空に描く環。白道。その2つの環は、傾きが異なるため、天空の2点で交わります。この交点がドラゴンポイントです。このポイントの近くで、新月か満月が起こると、それは蝕(エクリプス)となるのです。
もしも、この2つの軌道の傾きが一致しているのであれば、つまり、太陽と月が同じ軌道面上を移動していたなら、新月、満月のたびに蝕が起こります。しかし、この2つの軌道の傾きが異なっているために、蝕は交点付近でしか起こらないのです。
通常の新月では、太陽と月は接近しますが、重なることはありません。でも、太陽がその強い光で、月の姿を消し去ってしまうのです。ですが蝕の新月では、月が太陽の上に重なります。月は黒い影となって太陽を隠してしまいます。ある意味、通常とは逆のことが起こるわけです。
満月では、太陽が月を照らし、月は、満面輝きます。しかし、交点の近くで満月が起こる場合、太陽と月の間に地球が入り込むという位置関係になります。地球が太陽の光を遮り、そして地球の影が月を覆います。そして満月は輝きを失うのです。(影の中に入るだけなので、真っ暗にはなりません。)
古代において、天空で起こる蝕は、驚きでした。太陽の光がなぜ急に隠されてしまうのか、なぜ満月がその輝きを失ってしまうのか。太陽と月を飲み込む巨大なドラゴンが天空にいるのだろう、と人々は想像しました。そして太陽と月の軌道の交点、太陽と月が重なるポイントは、ドラゴンポイント(ドラゴンヘッド&テイル)と名付けられました。ドラゴンポイントは、ヘッドとその正反対にあるテイルの2点から成り立つ蝕点なのです。
太陽と月の軌道の交点、ドラゴンポイントがある星座宮は蝕星座宮。その星座宮で起こる新月、満月は、蝕となります。(注・ただし、ドラゴンヘッドテイルが、星座宮の端のほうにある場合、隣接した星座宮での新月、満月も蝕になることがあります。)
そしてドラゴンポイントは、太陽や月が移動する向きとは逆に、約18年かかって、全天を1周します。この18年(+11日)はサロス周期と呼ばれる蝕の周期。ドラゴンポイントがひとつの星座宮(30度)を移動するのに約1年半。18年間のうちに特定の星座宮を2回(1回はヘッド、もう1回はテイル)、蝕点が通過します。つまり、ある星座宮が蝕星座宮となる周期は、18年間の半分の期間、9年ごとにやってきます。
エクリプス(蝕)は、ありえないことが起こるわけで、いわば、運勢を変化するきっかけになると考えてよいでしょう。それまでの認識やルールが大きく変化するタイミングだからです。古代、光を蘇らせようと行われた魔術儀式のように、運勢を変えるには最適のタイミングでもあります。
ただしこれは、一般的にエクリプス(蝕)について語られていることではありません。エクリプス(蝕)は、占星術ではそれほど重要には扱わないのです。以前、ルルラブアさんに、エクリプスについて訊ねましたら「エクリプスはねぇ、どちらかというと魔術の領域でしょ。占星術では重視しないけど。」と言われました。あえて言うなら、これは、エソテリック(秘教占星術)、占星魔術とも言うべきものだと私は考えていますし、現在、私が書いているエクリプスについての占いは、自身のオリジナルとして公開しているものです。
秋月さやか
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