暦(こよみ)と言えば通常、、1)日付、曜日、二十四節気、日の出日の入り、潮の満干、日月食などの天文的要素を骨子とし、2)日々の吉凶禁忌を記した部分(=暦注)をあわせたものを指します。 1)の部分が特に農漁業等で必要不可欠であったことは言うまでもありません。 また、2)の部分については、今の私たちからみれば迷信に過ぎないと見えるものも多いのですが、その当時の人々の物の見方、考え方と不可分なところも多く、古来から行動指針として深く人の営みの中にとけ込んできたものです。 ○○祭の日、結婚式を挙げてはいけない日、造作をしてはいけない日、葬式を出せない日・・・そうしたものの幾つかは現代でも私たちの生活意識の中に息づいていますね。休日が殆どなかった人々にとって大儀名分のたつ休息日にもなり得ました。 また暦の中に記される語彙には俳句の季語として用いられるものも多く、暦は人々の自然観に深く根付いた文化の香り高いものでもあります。 暦には多くの役割があり、それだけの需要がありました。 そんなこともあり、暦の出版は昔から一大出版産業でした。現代に至っては需要も多様化し、年末には様々なダイアリーや美しいカレンダーが店頭を飾ります。 暦注の部分には古く中国から伝わった陰陽五行説等に基づく記載も多く、各種の占いへと回路を開いています。 ここでは占いのためのみならず、そうした文化に触れるための資料として暦データを掲載します。 ◆二十四節気とは? 農業に生産の根拠を置く社会では季節を正確に知ることが非常に重要です。 そのために導入されたのが二十四節気です。 私たちになじみ深い「立春」や「春分」などがこれ。 啓蟄など季語として残っているものもあります。 現在の二十四節気は春分を基点に黄道を24等分して定められています。 立春(=正月節:2/4頃)、雨水(=正月中(ちゅう):2/19頃)、 啓蟄(=二月節:3/6頃)、春分(=二月中:3/21頃)・・・のように 「節」と「中」からなり、ペアでひと月を構成します。 詳しいデータを下記(節入り日時刻一覧表)に掲載しました。 ちなみに四柱推命など東洋系の占術はたいてい「立春(太陽黄径315°)」を年の始まりとしています。 ◆十二支月とは? 子丑寅卯辰巳・・・いわゆる十二支で月を呼ぶやり方がありますね。 寅(とら)月といえば立春から始まる一ケ月で、おおむね2/4頃から3/6頃。 子(ね)月といえば大雪(12/7頃)から始まる一ヶ月で、真ん中が冬至にあたります。 二十四節気の節と中をひとまとまりにしたものでもあり、十二節気月とも呼ばれます。 四柱推命などでは太陽エネルギーの状態を表すパラメータとして極めて重要視されるので、 生年月日時が十二支月の境目に近い場合はとくに厳密に調べる必要が生じます。 なお、一年の始まりの月は立春から始まる寅月。ために立春は正月節とされます。 ◆旧暦とは? 古くから太陰太陽暦が使われてきました。これは月の朔望をひと月の単位とし、季節とのズレを閏月で補正した暦です。一般に言う旧暦とは、これら太陰太陽暦のうちで最後に用いられた天保暦をさして言います。 ◆グレゴリオ暦とは? 成立過程や名称の由来はさておき、ふだん私たちが使っているカレンダーの暦(太陽暦)がこれ。 ◆六曜の配当について 「大安」・「仏滅」などの、いわゆる六曜は、現在私たちが使っているグレゴリオ暦から見ると神秘的な配当に見えます。が実はこれ、昔から使われてきた旧暦(太陽太陰暦)をもとにして極めて単純なカラクリで配当されています。 たとえば旧暦4月は1日(ついたち)を仏滅とし、以後、大安、赤口、先勝、友引、先負、仏滅、大安....と循環させて配当されます。旧暦5月ならば1日を大安とし、以後、赤口、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口....と循環配当させます。他の月も同様に1日の起点が決められて循環配当されています。 また、旧暦には閏(うるう)月がありますが、閏5月であっても1日はやはり大安から配当し、閏4月でもやはり1日を仏滅から循環させるだけ。ところがこれを現行の太陽暦から見ると、魔可不思議な並び方に見え、ともすると神秘的に感じてしまうのです。 ◆節入り日時刻一覧表 年月干支やその境界を知る、あるいは 二十四節気や土用の入りを調べるためにお使い下さい。 |
◆デイリー干支・旧暦・二十七宿、六曜
日毎の干支や旧暦を調べる際にご覧下さい。(二十七宿と六曜を併記) 注)二十七宿は主に宿曜占術で用いられるもの。宿とは星座。 宿曜占術はインドに端を発し中国経由で空海によリ日本に伝来。 Photo by Sayaka Akitsuki
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