占夢解説
前世夢とはどのようなものなのでしょうか?
質問:
「前世夢とはどのようなものなのでしょうか?」
解説:
まず、前世という概念は、輪廻転生を前提とします。輪廻転生というのは、魂は不滅であり、肉体は滅びと再生を繰り返す、という考え方です。この前提に立った場合のみ、前世が存在すると考えてください。前世が存在するのかという問いについては(つまり、魂は輪廻転生するのかという質問については)、私はわからない、とお答えします。輪廻転生は、カトリックでは異端とされています。ただし、同時に、前世という概念が特定の宗教と結びつくことはない、ということも、申し上げておきます。
魂という概念が唱えられるようになったのは古代エジプト時代といえるでしょう。肉体は物質、そしていつか滅びます。しかし、人の意識や感情は物質ではありません。それは一過性のある反応だったり、記憶だったり、とにかく物質とは違うレベルのもの。人間は、年老いていく肉体の中に、形のない魂を宿している存在、そのように考えたわけです。
この魂の概念には、夢も大きく関わっています。夢、それは正確には、眠っていた間に心の中に浮かんだ意識の記憶なのですが、古代人はそのようには考えませんでした。眠っている状態、肉体は動かず、目も閉じたままなのに、なぜ、その眠りの間にいろいろな映像を見たり、さまざまな体験をすることができるのだろうか?と。
古代人は、眠りを小さな死と考えていました。そして眠っているうちに、魂が肉体を抜け出した体験が夢になるのだ、と。つまり古代人の夢は、基本的には幽体離脱と考えられていました。そして、寝覚めと共に、魂は肉体に戻ってきます。
しかし、死と共に魂は肉体を完全に離れ、肉体には戻りません。そして肉体は永遠の眠りにつきます。ですから、夢の世界とは冥界(霊界)、と考えていた民族もいます。いずれにせよ、夢の中であれば、冥界に行くことは可能である、と考えられたようです。
逆に、人が生まれる時には、肉体の中に魂が宿ります。(注・古代ギリシャ時代には、この地上に生まれ出た瞬間に、肉体に魂が宿ると、そのように考えられていました。ですから、誕生時の天宮図は、魂のあり方を示す図となるのです。)では、魂はどこからやってくるのか。それは、この地上以外の世界、冥界、あるいは天上界ということになるわけです。
東洋(古代中国)の考え方では、心は魂と魄に分かれます。現世での記憶はおもに魄の部分に保存され、それは現世での人生を終えると次第に薄れていくもの。しかし本質的な魂は生まれ変わってもそのまま受け継がれると、そのように考えられていました。
さて、前世夢とは、文字通り、前世の記憶が蘇る夢です。まずは、前世夢と思われる夢の特徴をあげてみましょう。構造としては、もう忘れてしまった昔の記憶が蘇ってくる夢と似ていますので、夢から覚めたとたんに、あれは昔のことだった、というような感覚になります。そして、繰り返し同じ場面を見ることが多いようです。それは、現実ではまったく知らない場所で、いったいどこなのか、わからない。でも、なぜか知っている場所というように思えるのです。そして、たいていは夢の中で名前を呼ばれます。あるいは、別な名前を持っていることを、夢の中で知っています。
「これは前世夢ではないでしょうか」という読者からの質問で多かった内容は以下です。
「子供の頃から、なぜか繰り返し同じ場面を見る。夢の中では、よく知っている場所だと思っているのだけれど、夢から覚めてよく考えてみると、まったく覚えのない場所で、どこかで見た場所なのだろうかと思うけれど、どうしても思い出せない。」
「夢の中で見た場所になんとか帰らなくては、と思っているけれど、それがどこなのかまったくわからない」
「夢の中で、知らない人から親しげに自分の知らない名前を呼ばれる。夢の中では自分は別人になっているわけではなく、自分のままだけれど、まったく知らない名前だった。」
前世夢は、10歳以下のうちに見る事が多いとされます。が、大人になってからも不思議な感覚の場面を繰り返し見るといったような場合は、前世の記憶の再現の可能性があります。ただし、ここでいう前世は、確実に存在するという実証はなされておりませんし、仮に存在するとしても、夢の中の記憶が魂の輪廻転生に伴う過去世のものなのか、それとも遺伝子の記憶の中にある祖先の意識の蘇りなのか、その判別は難しいでしょう。
「前世夢とはどのようなものなのでしょうか?」
解説:
まず、前世という概念は、輪廻転生を前提とします。輪廻転生というのは、魂は不滅であり、肉体は滅びと再生を繰り返す、という考え方です。この前提に立った場合のみ、前世が存在すると考えてください。前世が存在するのかという問いについては(つまり、魂は輪廻転生するのかという質問については)、私はわからない、とお答えします。輪廻転生は、カトリックでは異端とされています。ただし、同時に、前世という概念が特定の宗教と結びつくことはない、ということも、申し上げておきます。
魂という概念が唱えられるようになったのは古代エジプト時代といえるでしょう。肉体は物質、そしていつか滅びます。しかし、人の意識や感情は物質ではありません。それは一過性のある反応だったり、記憶だったり、とにかく物質とは違うレベルのもの。人間は、年老いていく肉体の中に、形のない魂を宿している存在、そのように考えたわけです。
この魂の概念には、夢も大きく関わっています。夢、それは正確には、眠っていた間に心の中に浮かんだ意識の記憶なのですが、古代人はそのようには考えませんでした。眠っている状態、肉体は動かず、目も閉じたままなのに、なぜ、その眠りの間にいろいろな映像を見たり、さまざまな体験をすることができるのだろうか?と。
古代人は、眠りを小さな死と考えていました。そして眠っているうちに、魂が肉体を抜け出した体験が夢になるのだ、と。つまり古代人の夢は、基本的には幽体離脱と考えられていました。そして、寝覚めと共に、魂は肉体に戻ってきます。
しかし、死と共に魂は肉体を完全に離れ、肉体には戻りません。そして肉体は永遠の眠りにつきます。ですから、夢の世界とは冥界(霊界)、と考えていた民族もいます。いずれにせよ、夢の中であれば、冥界に行くことは可能である、と考えられたようです。
逆に、人が生まれる時には、肉体の中に魂が宿ります。(注・古代ギリシャ時代には、この地上に生まれ出た瞬間に、肉体に魂が宿ると、そのように考えられていました。ですから、誕生時の天宮図は、魂のあり方を示す図となるのです。)では、魂はどこからやってくるのか。それは、この地上以外の世界、冥界、あるいは天上界ということになるわけです。
東洋(古代中国)の考え方では、心は魂と魄に分かれます。現世での記憶はおもに魄の部分に保存され、それは現世での人生を終えると次第に薄れていくもの。しかし本質的な魂は生まれ変わってもそのまま受け継がれると、そのように考えられていました。
さて、前世夢とは、文字通り、前世の記憶が蘇る夢です。まずは、前世夢と思われる夢の特徴をあげてみましょう。構造としては、もう忘れてしまった昔の記憶が蘇ってくる夢と似ていますので、夢から覚めたとたんに、あれは昔のことだった、というような感覚になります。そして、繰り返し同じ場面を見ることが多いようです。それは、現実ではまったく知らない場所で、いったいどこなのか、わからない。でも、なぜか知っている場所というように思えるのです。そして、たいていは夢の中で名前を呼ばれます。あるいは、別な名前を持っていることを、夢の中で知っています。
「これは前世夢ではないでしょうか」という読者からの質問で多かった内容は以下です。
「子供の頃から、なぜか繰り返し同じ場面を見る。夢の中では、よく知っている場所だと思っているのだけれど、夢から覚めてよく考えてみると、まったく覚えのない場所で、どこかで見た場所なのだろうかと思うけれど、どうしても思い出せない。」
「夢の中で見た場所になんとか帰らなくては、と思っているけれど、それがどこなのかまったくわからない」
「夢の中で、知らない人から親しげに自分の知らない名前を呼ばれる。夢の中では自分は別人になっているわけではなく、自分のままだけれど、まったく知らない名前だった。」
前世夢は、10歳以下のうちに見る事が多いとされます。が、大人になってからも不思議な感覚の場面を繰り返し見るといったような場合は、前世の記憶の再現の可能性があります。ただし、ここでいう前世は、確実に存在するという実証はなされておりませんし、仮に存在するとしても、夢の中の記憶が魂の輪廻転生に伴う過去世のものなのか、それとも遺伝子の記憶の中にある祖先の意識の蘇りなのか、その判別は難しいでしょう。
秋月さやか
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