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占星術概説

惑星(プラネット)

 古典的な占星術では、太陽と月(地球の衛星)に、5つの惑星を加えた7つの星を用いる。7惑星と称する場合が多い。天王星は、古典的な占星術では(発見されていなかったため)扱われなかったが、トランスサタニアンとして重要な意味を持つと考えられる。

 

太陽  Sol

 太陽は、自ら発光する天体であり、地上に光を与えます。そのため、地上世界の創造主として崇拝されました。世界の中心である自分自身をあらわします。また、人生においてめざすべき目標となります。太陽は、昼の世界、つまり現実世界や物質世界の支配者として、社会的な活動を司ります。そのため、占星術では太陽はおもに男性的な意識であり、女性にとっての夫をあらわします。

 

月  Luna

 月は、満ち欠けを繰り返し、再生する光。地上の水を支配します。その満ち欠け周期は女性の月経周期と一致することから、女性、母親、子供をあらわします。太陽が光に照らされた現実の世界を支配するのに対し、月は太陽が沈んだ後の闇の世界を見守る存在。意識世界、感情や眠りを司ります。さらにはプライベートな内面生活や家庭も月の管轄となります。男性にとっての妻をあらわします。

 

水星  Mercury

 水星は太陽のすぐそばに輝き、時には太陽の先駆けとなり、あるいは太陽に付き従うために、太陽の存在を知らしめる伝令役とされました。その動きは素早く、姿をあらわしたかとおもうと、すぐに見えなくなります。占星術では、知識は水星によってもたらされると考えます。知識は、太陽の自己実現を助けるための能力として役立てられるからです。知識や情報を得るために必要なコミュニケーション能力も水星の管轄となります。

 

金星  Venus

 金星は、最も明るく輝く惑星です。5角形の星型は、金星の輝きを図形化したもの。宵の明星(ヘスペロス)、明けの明星(フォスフォロス)として2つの姿を見せます。金星は多くの神話で、その美しい輝きから、恋愛や快楽を司る女神、女性的な美のエロスとされました。金星の印♀は女性をあらわす記号と共通し、理想の女性像であるアニマ。男性にとっての憧れの恋人であり、女性にとっては自らの魅力が金星に示されます。

 

火星  Mars

 火星はその赤い輝きが火や血の赤色を連想させ、不規則な動きから、厄災がもたらされる予兆とされました。多くの神話において、火星は戦いの神。火星の印♂は、男性的なエネルギーをあらわします。それは外界と戦う生命欲求、タナトス。そして理想の男性像、アニムス。女性にとっての憧れの恋人であり、男性にとっては自らの魅力が火星に示されます。

 

木星  Jupiter

 木星は白く明るい輝きと、ゆっくりした動きで全天を約12年で1周します。つまりひとつの星座宮に約1年間。これは、太陽がひとつの星座宮を約1ヶ月で通過することに対比されます。地上世界の支配者は太陽ですが、木星は全天を支配する存在と考えられました。木星はその1年間の作物の実りや社会情勢を占うのに重要な星でした。そのため、幸運をもたらす星と考えられます。社会的なモラルや社会への期待をあらわします。

 

土星  Saturn

 土星は目に見える惑星の中で一番太陽から遠く、約30年かかって全天を一周します。土星の30年は、ひとつの時代が次の時代に移り変わる世代交代に相当します。その静かな輝きと遅い歩みが、老成した印象を与えることから、時の支配神、老賢人の姿。土星は祖先や伝統であると同時に、時代の制約であり、運命上の困難、試練を暗示します。しかし、人は試練によって磨かれます。そのため、古代中国では徳を司る吉星とされました。

 

天王星  Uranus

 天王星は1781年3/13にハーシェルによって発見。(1750年に天文学者ルモニエによって観測。) その頃、地上世界では古い支配体制が終わりを告げ、フランス革命と新大陸発見により、新しい世の中へと移り変わりつつありました。天王星の名称ウラヌスは、ギリシャ神話に登場する古い天空の神。

 占星術における天王星は、目に見えない周波や時代の大きな変化をあらわします。天王星は約7年で星座宮を移動しますが、これは人間の細胞が入れ代わる周期と一致します。

 

占術研究家 秋月さやか

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