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筆者エッセイ

彼を骨抜きにするおまじない?!

 新鮮な鯵が手に入ったら、ぜひ、鯵刺しを作りましょう!私はアレルギー持ちなのですが、新鮮な鯵を自分でさばいて作った鯵刺しでアレルギーが出たことはありません! それもそのはず、新鮮な魚は、アレルギーが出にくくなるのだそうです。
(注・ただし、絶対に!というわけではありません。個人差がありますので、重度の魚アレルギーの方は気をつけてください。念のため。)
 
 魚をさばくのが苦手な人は、魚屋さんで三枚におろしてもらってください。「鯵刺しにします」といえば、三枚におろしてくれます。
 そして、自宅に持ち帰った三枚おろしを刺身にする時に、必須なのが「骨抜き」。鯵の身の中に残った骨をしっかりと抜く必要があります!
 「骨抜き」の形状は「毛抜き」に似ています。まあ、毛抜きでも、鯵の骨は抜けますので、「毛抜き」を使っている方も多いようですが。しかし、一度、「骨抜き」を使うと、もう、その使い良さに、手放せなくなります。
 刺身だけではありません。魚の切り身を煮付ける時にも、私は「骨抜き」で、なるべく無駄な骨を抜いてから煮付けます。切り身の場合には、2枚おろしですから、片方には中骨が付いており、こちらはそのままでもかまいません。が、中骨のついていないほうは、なるべくきちんと骨を抜いて、食べやすくしておきます。
 魚は鱗をきちんと取り、下ごしらえで、なるべく骨をしっかりと抜きましょう! 魚嫌い、という人は、鱗や骨が気になって嫌いになってしまった、という人が多いからです。
 
 写真右が「骨抜き」、河童橋の厨房器具店で、2500円也。(注・20年前の値段) 写真左は毛抜き。たぶん500円とかそんなもの。
 骨抜き、高い?いいえ、ぜ〜んぜん高くない。この「骨抜き」は、しっかりと魚の骨を抜くことができます。こんなに使いやすい「骨抜き」はありませんが、プロ使用はもっとお高く、そして使い勝手もいいのだそうです。
 
 さて、鯵刺しは、塩をふって身を締めると、おいしくなります。骨をきちんと抜いた鯵に、塩をふりかけ、冷蔵庫で約1時間。塩を落とし(軽く水で洗い、水気をふき取る)。この塩鯵状態で、それから皮を引いて、刺身にすると、生臭さがなく、大変おいしい。薬味は、万能ネギの小口切りと、ショウガ千切り(季節によっては新ショウガ!)、そして薄切りキュウリです。わさびはNG、と個人的には思います。醤油は、たまりではなく、薄口か、ほんの少し荒塩を溶かし入れた醤油を。
 
 さらにこの先、酢に3時間から一晩ぐらい漬けると、〆鯵になります。酢にほんの少し砂糖を入れると、生臭さが抜けます。一晩置いた〆鯵は、そのまま食べても良く、押し寿司にしてもおいしい。
(注・安い酢はやめましょう。ツーンとくる匂い、舌を刺激するような味。〆鯵のような繊細な料理には、ふさわしくありません。黒酢でも米酢でもいいんですが、とにかく伝統的な製造法できちんと作ってある酢!もちろん、それなりにお高いですけれど、それだけの価値はありますから。)
 

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 かつて、家人が巣鴨の学寮にいた頃、近所を歩いていたら、通りかかった人(たぶん観光客)に、「骨抜き地蔵はドコですか?」と聞かれたのだそう。もちろんこれは、棘抜き地蔵のこと。しかし、指に棘が刺さった時、たいていは「毛抜き」を使って抜く。「棘抜き」という器具というのは、私は知らないし、見たことはないので・・・。でも、ある時、試しに「骨抜き」を使って棘を抜いてみましたら、もちろん、スッと抜けました。
 
 さて、縁切り地蔵といわれる地蔵尊に行くと、鋏が奉納してあります。悪縁を切るために、鋏を奉納するのです。となると・・・彼を骨抜きにしたいなら、「骨抜き」を奉納してはいかがでしょう?
 しかし、ここで言う「骨抜き」って、どういう意味なのでしょうか? 「骨のあるやつ」というのは、バックボーンがしっかり、自我のある人のことを言いますね。となると、「骨抜き」になった彼というのは、自分の意見などなく、なんでもあなたの言いなりになってしまう、ぐにゃぐにゃ状態。いわば丸め込みやすい相手、という意味になるわけですが・・・。ま、刺身と恋人は、「骨抜き」のほうが、何かといいみたいですね。

秋月さやか


写真:自宅にて筆者撮影

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