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占星解説 2021

2021年の星の動きとマンデーン

「2021春分図からマンデーンを読む」

春分 Spring Equinox Ari00 2021/03/20 18:40(JST)

 アストロロジー(西洋占星術)においてマンデーン(社会現象)を占うには春分図が必須です。なぜ春分図なのかといえば、春分は12星座宮(サイン)の基点であるため。春分の瞬間の惑星の配置は地上(全世界)共通ですが、各国家の首都における上昇度数は各々異なり、始原図(注・国家の成立時のチャート)を併せて用いることで、国家特有の現象を占断します。始原図は1947年5月3日憲法公布日の位置から、火星以降の外惑星をチェックしています。
 
 さて、2021年春分図(日本)におけるチャートですが、上昇は天秤10。始原図(1947/05/03)の海王星は天秤08で、2021年の日本春分図のアセンダント付近です。海王星が意味するところのスピ系分野はますますブームになるのかもしれません。
 スピ系といっても、その中には脳内お花畑ちゃんから、カウンセリング、新興宗教、占術、(もしかしたら)地球外生命体のあやしげなチャネラーも、降臨系の芸術家も、すべてが含まれています。スピリチュアリティとは魂の存在を信じることであり、同時に見えない世界を信じることなのですが、お花畑ちゃん系も、組織的な伝統宗教団体も、それ以外も、すべていっしょくたにスピ系。しかし、困ったちゃん系、妄想系とそれ以外をどう区別するのか。そもそも捉えどころのないものをどのように扱うのか、心の問題は複雑です。春分図内の海王星は月とスクエア(矩)なので、スピ系詐欺、霊感商法の問題などもクローズアップされてきそうではありますし、フェイクニュースとサスペンスドラマの区別さえも曖昧になっていくのかもしれません。
 2021年春分図の海王星は、始原図(1947/0503)の天王星とスクエア(矩)です。日本では信仰の自由は保証されています。しかし、想像の世界で起こったことを現実だとか(現実になってしまうと脅すとか)、祈ればなんでも実現する(叶えてもらえる)と信じ込んで現実を無視する人たちは、たんなる妄想狂です。妄想も個人の内部では自由ではありますが、しかしそれを人に勧める(脅す)なら有害です。私はそういう人たちをスピ系テロリストと呼んでいます。占術業界でも、このような問題は身近になってくるでしょうから、スピ系テロに巻き込まれないように、くれぐれも気を付けたいものです。
 
 上昇天秤の支配星である金星は6H。6Hに集中している太陽金星海王星は、組織や学校などにおいてメンタル的な部分を見直そうという動きでしょうか。メンタルの健康は、当然ですが生産性にも影響を与えます。しかし、海王星は月と緩いスクエア(矩)で、こちらもまた、ひとことでメンタルとくくってしまえるほど簡単な問題ではありません。そもそも、月(双子16)は、始原図(1947/05/03)の天王星(双子19)とコンジャンクション(合)なので、改革が必要、というところまでは認識しているとしても、さて、どうすべきなのか。
 
 さて、9Hにある月と、4Hから5Hにかけての土星木星がトライン(三分)、9Hの月は異文化。もともと日本は、渡来文化をとりこみながら発展してきた国でシルクロードの到達点ですから、異文化との海外交流が盛んになってくる可能性もあるでしょう。インバウンド需要が回復する見込みは(現実的には)なさそうですので、9Hの月は、日本文化や技術に関する海外との連携ビジネスと読むべきなのかもしれません。火星と土星はトライン(三分)で、高齢化した企業が代替わりする(もしかしたら海外資本との連携によって)という流れも、思っているよりはうまくいくのかもしれません。しかし火星は水星とはスクエア(矩)ですから、海外への技術流出はありうるのでしょう。技術流出というより、海外資本との連携です。
 
 土星スクエア(矩)天王星は、技術的な改革の必要性。改革に成功した企業だけが生き残る時代です。土星とのタイトなスクエア(矩)は02/18に発生し、その1か月前の1/18には木星スクエア(矩)天王星が発生。天王星は約7年間牡牛にありますが(2018〜2026)、木星天王星、土星天王星とのスクエア(矩)が発生するのは2021年のみです。木星スクエア(矩)天王星で、人々は新たな流れを求めています。2021年春分図(日本)では木星は5H、イベントなどで新たな流れを呼び込もうという動きも活発になっていくのでしょう。各地で祭りを復活したい、といったような流れはますます盛り上がっていきます。月は木星とトライン(三分)ですし、土星とも緩いトライン(三分)ですので、基本的にはよい流れといえるのでしょう。しかしGo Toキャンぺーンは2021年3月15日まで(春分の日より前に終わってしまう)、その後に、どのような地域活性化の流れがやってくるのか、それについては、今後の動向を見守るしかありませんが。
 
 おわりに。毎年書いていることなのですが、占星術とは星の配置によって地上の運勢を読みとる術です。しかしそれは「星の配置に地上の運勢が左右される」ことではありません。地上の動きを知らなければ、天を仰いでも何もわかりません。私の師同然であったルル・ラブアさんは、「新聞を読みなさい、経済学を勉強しなさい、世の中を知りなさい、でなければマンデーンはできない」とアドバイスをくださいました。占星術を学んだだけで、株で勝てたりはしませんし、政治家の胸の内がわかるというわけでもありません。占星術は予兆を読みとるための1つの方法でしかありません。そして予兆を感じ取るのがオカルティストです。ですが、オカルティストは占い師であるとは限りません、科学者、政治家、そして芸術家もまた、予兆を感じ取るオカルティストです。ただし、オカルト理論にはおおいなる勘違いもたくさん含まれています。99の瓦礫とたった1つの原石。そのぐらいの比率かとは思いますが、マンデーンから役立つ何かをひとつでも読みとっていただければ幸いです。

秋月さやか

2021マンデーン

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